「離婚するかどうか迷っている。」
「離婚する決心はついたけれど離婚後の生活が不安だ。」

考え直す余地があればそれに越したことはありませんが、離婚するという結論に至った場合、離婚後の生活に対する様々な不安を抱えていらっしゃるかと思います。
当事務所では、行政書士及び司法書士の立場から離婚問題の解決に取り組んでおり、お客様から詳しくお話をお聞きした上で、ご事情に応じたアドバイスをさせていただいております。

離婚協議書の作成

離婚の約9割は、夫婦の話合いによる協議離婚です。
しかし、離婚に際して、養育費や子供との面会交流について話し合われても、離婚後になって当初約束していたことが守られなくてトラブルになる場合があります。

協議離婚した女性のうち、実際に養育費の取り決めをしている割合は約30%にとどまっており、元夫の約80%が養育費未払いとなっています。(厚生労働省の平成23年度全国母子世帯等調査結果報告より)
離婚の際の大事な取り決めを口約束で終わらせることなく、書面を作成して後のトラブルに備えましょう。

<離婚協議書(公正証書)に記載する内容>
離婚協議書(公正証書)に記載する主な内容は以下のとおりです。

①離婚を合意した日及び夫婦のいずれが離婚届を届け出るか

②未成年者の子供の親権者及び監護権者の定め

③養育費の取り決め
何年何月から何年(何歳)の何月までの間、毎月何日までに月額いくら支払うか

④子供との面会交流の取り決め

⑤離婚に伴う慰謝料・財産分与の取り決め
慰謝料・財産分与の取り決め。また、分割払とした場合の期限の利益喪失の取り決め

⑥支払が滞った場合の遅延損害金の取り決め

⑦年金分割を合意した場合の取り決め

⑧清算条項
清算条項とは、当事者間に、離婚協議書または公正証書に記載した権利関係のほかには、何らの債権債務のないことを相互に確認する旨を当事者双方が確認する条項です。

⑨今後、住所・勤務先の変更等があった場合、お互いに連絡する旨の通知義務
養育費の支払、子供との面会交流(面接交渉)、双方の協議などをスムーズに行うためには、お互いの住所・勤務先などを知っておく必要があります。

このほか、公正証書を作成する場合は、

⑩強制執行認諾
養育費・慰謝料・財産分与等の金銭の支払を遅延したときは、強制執行に従う旨の取り決め

が入ります。

離婚調停申立書の作成

離婚調停
夫婦の一方に離婚の意思がない場合や、離婚することには合意しているが条件に隔たりがあって折り合いがつかない場合には、家庭裁判所へ離婚の調停を申し立てることになります。離婚の方法には裁判離婚もありますが、いきなり訴訟を提起することはできず、まず調停を行い、調停が不成立となった後に裁判を提起するという手順を踏む必要があります(調停前置主義)。

離婚調停では、離婚するかどうかだけでなく以下の問題についても一緒に話し合うことができます。

  • 子供の親権者を誰にするか
  • 親権者とならない親と子との面会交流をどうするか
  • 養育費
  • 財産分与
  • 年金分割の割合
  • 慰謝料

離婚調停の流れはおおむね以下のとおりです。

①調停申立て
夫婦の一方が家庭裁判所に調停の申立てをします。
申立が受理されると、最初の調停期日が指定されて呼び出しがあります。申立の受理から最初の期日まではおおむね1ヶ月~1ヶ月半かかります。

②調停期日での話合い
夫婦は原則として同席することはなく、控え室も分けられているので、まったく顔を合わせないまままでも調停は進められます。
通常男女各一人の調停委員が、夫婦それぞれの言い分や事情を聞いて問題点を整理したり、今後の調停の方向付けをします。
事案の内容にもよりますが、調停期日は1~2ヶ月の割合で何回か開かれ、ほとんどの場合6ヶ月~1年程度で終了しています。

③調停成立(離婚成立)
離婚すること及びその条件について双方が納得すれば、離婚が成立し調停が終了します。
調停終了の際には、離婚の意思や離婚に関する具体的な合意内容について調停調書が作成されます。

④離婚届の提出
調停成立の日から10日以内に離婚届と調停調書の謄本を本籍地または住所地の役所に提出します。(本籍地でない役所に提出する場合には、戸籍謄本も必要。)

離婚公正証書の作成

養育費や慰謝料などの金銭の支払いが滞った場合、通常は裁判手続きで勝訴判決を得て、その後に相手方の給料・預貯金・不動産などを差し押えることによって金銭を回収します(強制執行)。離婚協議書は裁判手続きの際に有力な証拠となりますが、裁判手続きには費用はもちろん時間がかかります。しかし、金銭の支払いについては、離婚公正証書(強制執行認諾文言付き公正証書)を作成しておくことによって、裁判手続きを経ることなく強制執行が可能となります。

公正証書にする費用はかかりますが、後の安心のために離婚公正証書を作成することをおすすめします。

年金分割について

年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を分割する制度で、離婚後に年金事務所に行き、標準報酬改定請求書を提出して行います。
年金分割の対象は厚生年金や共済年金の部分だけであり、国民年金部分は対象となりません。
なお、請求期限(原則、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を過ぎると分割請求できませんのでご注意ください。

年金分割には以下の2種類があります。

①合意分割制度
平成19年4月1日以後に離婚等をした場合に、婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で分割することができる制度です。
分割割合は、最大で1/2であり、協議で定まらない場合は家庭裁判所に申立てをして調停や審判を経て決定することもできます。また、分割対象期間は過去の婚姻期間全てとなります。

②3号分割制度
平成20年5月1日以後に離婚等をし、以下の条件に該当したときに、国民年金の第3号被保険者であった方からの請求により、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を1/2ずつ、当事者間で分割することができる制度です。(それ以前の婚姻期間については、合意分割制度の対象となります。)

財産分与による不動産登記

財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して形成した財産を清算及び離婚後の経済的弱者(多くの場合は妻)に対する扶養料的な意味合いを持つ、離婚に際しての財産の給付のことです。

なお、財産分与について取り決めをしていなくても離婚はできますが、財産分与の請求権は2年で時効により消滅してしまいますので、離婚協議書(公正証書)や財産分与契約書を作成して、後の紛争に備えておくことをおすすめします。

財産分与により相手方名義の住宅など不動産の所有権を取得した場合(婚姻中、共有名義だったものが財産分与でどちらか一方の名義となる場合も含む。)、所有権移転登記により名義変更することになります。また、住宅ローンの支払いが残っており、離婚後に債務者が変わる場合には、抵当権の変更登記が必要になります。

住宅ローンの支払いが残っている不動産を財産分与する場合の対応は、融資先との契約内容により異なりますので、事前に融資先の金融機関にご相談ください。

なお、財産分与による登記手続きには相手方から登記申請書に添付する書類(権利証や印鑑証明書など)の提供を受けるなどの協力が必要ですので、離婚協議の際には書類の受け渡し時期や方法についても十分話し合っておきましょう。