会社の登記内容に変更があった場合、速やかに登記内容変更の手続き(変更登記)をしなければいけません。

登記簿の記載内容に最新の情報を反映させるためにも、変更登記は、変更から2週間以内に申請しなければならないと定められています。
定められた期間が経過した後は申請が受理されないということはありませんが、期限内に変更登記がおこなわれなかった場合、会社の代表者に対し100万円以下の過料が科せられる可能性がありますので、気を付けなければなりません。

変更登記が必要な場合は、主に以下のような場合です

  • 取締役・監査役が就任、辞任、任期満了で退任した
  • 会社(本店、支店)の所在地が変わった
  • 支店や営業所を新設した、または、廃止した
  • 資本金の増減があった
  • 会社の事業内容(目的)に変更があった
  • 社名(商号)が変わった
  • 新たに株式を発行した
  • 会社の分割、合併をしたい
  • 有限会社、合同会社を株式会社に組織変更したい
  • 取締役会の新設、または、廃止をした

上記の項目のうち、特に注意を要する点について説明します。

役員変更登記について

株式会社の変更登記のうち、定期的に必要になるのが役員変更登記ですが、その分、注意すべき点も多くあります。
中でも、特に見落としやすい点は以下の通りです。

  1. 役員再任の際の登記をしていなかった
  2. 役員の任期の計算間違いをしていた
  3. 役員の任期切れを見落としていた
  4. 役員変更で取締役の人数が減った

1について、役員の再任の場合、最も気を付けなければならないのは、取締役・監査役が定款で定められた任期満了後に一度退任して再就任する場合、必ず役員再任の旨を登記しなければなりません

2について、役員の任期は会社法で以下のようになっています。

  • 取締役の任期:選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
  • 監査役の任期:選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで

このように、役員の任期は「選任後2年または4年」ではないので、要注意です。

3について、株式の非公開会社の場合、定款の定めによって役員の任期を最長10年までとすることが可能ですが、そのために任期切れを失念していたというケースがよくあるようですので、注意してください。

ちなみに、株式会社の場合は、最後に会社登記をしてから12年間変更登記がなされていない場合、会社が事業を廃止していない届出をするように官報に公告が出され、届出がなければ解散したとみなされます(これをみなし解散といいます。有限会社や合同会社などにはこの定めはありません)。 12年以内には、10年経過後の役員変更登記を含めて、必ず何らかの変更登記がなされるはずだからです。

4について、取締役会非設置会社では定款によって役員数を定めることができますが、取締役会を設置している会社では、3名以上の取締役が必要です。
取締役会設置会社において、仮に、取締役の辞任や死亡などがあり、取締役が3名を下回ることになった場合、後任の就任登記も同時におこなう必要があります。

なお、定款を変更して取締役会を廃止するといった方法もありますが、その場合、取締役会設置会社の定めの廃止の登記が必要です。
取締役会設置会社から取締役会非設置会社となった場合、 取締役会非設置会社には監査役を置く必要がないため、同時に、監査役設置会社の定めの廃止の登記もおこなうことになります。

本店移転登記について

移転前と移転後の本店所在地で管轄する法務局が同じ場合は、管轄の法務局に登記申請をします。

しかし、他の法務局の管轄区域内に本店を移転する場合移転前の本店所在地を管轄する法務局宛ての申請書と、移転後の本店所在地の法務局宛ての申請書の2通をあわせて、移転前の本店所在地の法務局に申請しなければなりません。
また、新・旧本店それぞれの管轄法務局と支店の管轄法務局が全て異なる場合、支店のある地域の管轄法務局にも申請が必要です。

なお、同じ商号で同じような事業内容の会社が移転先にある場合、「不正競争防止法」に基づいて商号の使用差し止め請求を受けたり、損害賠償を請求されるといった不利益を被る可能性もありますので、あらかじめ移転先を管轄する法務局で同じ商号の会社がないかどうかを調べておいた方が良いでしょう。

支店設置登記について

本店と支店が同じ管轄の法務局の場合は、その法務局に申請をするだけで良いのですが、本店と支店が別の管轄であった場合、本店所在地管轄の法務局分と支店所在地管轄の法務局分を一括して本店所在地の法務局に申請します。

旧本店所在地を管轄する法務局の管轄区域外に支店が設けられているときは、支店所在地における登記の申請が必要となる場合があります。但し、支店所在地を管轄する法務局に新本店を移転する場合を除きます。